2016.1.16公開【最愛の子】〜10秒で読める映画レビュー〜

  
2016.1.16公開【最愛の子】

今年最初の新作映画レビューいきまーす!

ある日、突然姿を消した3歳の息子を捜す“産みの親”の苦悩と悲しみ、「よその女に産ませた」と夫が連れてきた子どもをひきとった“育ての親”の戸惑いが描かれる人間ドラマ。中国で多発している子供の連れ去り事件の実話を元に作られた作品です。
まず子供の誘拐事件が中国では今も年間20万件起きているという実態について。

に、に、20万件?年間??

え?

もう言葉が出なくなります。

これは映画であり、映画ではない。

現実の断片なのです。
試写の帰り道、カフェに寄って感想をまとめようとしていたのに作品のことを書こうとしていたら、映画内で疑似体験した親と子の気持ちといえど、作品のことを思い出すと胸が張り裂けそうになってきて、ショックで何も書けなかったくらい、頭にこの映画が焼き付いていました。 

そして、あたしは泣きました。 「親子ってなんだろう?」

育ての親と産みの親、

一見、是枝裕和監督の「そして父になる」と同じようなテーマかと思いきや、こちらの作品の持つ強烈な社会性には痛烈なリアリティがあって。中国の社会問題が浮き彫りにされています。
生々しくて。

火傷みたいにヒリヒリして。

言いようのない切なさの輪郭がはっきりとしている映画。

それでも、私はこの映画を多くの人に観てもらいたいと思いました。

それは、辿り着くところ、愛や信頼や人と人との関係性について深く考える作品だったからだと思います。

また、子供を誘拐された生みの親の視点だけではなく、育ての親である子供の誘拐犯の妻の視点を中心に描かれているところも驚きがありました。

ストーリーも無駄なシーンは一切なくテンポも◎。

公開したら皆さんの感想も聞かせて欲しい1本です。
主演のヴィッキーチャオの演技もとても良い。ほぼノーメイクで挑んでます。表情1つ1つ全てが切なくて、そんな彼女を見ていると、目をそらしたくなってしまうほど。

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