「こんなに好きだったのにー」
「あなたは誰を愛しているの?」
身を焦がすような熱い想いと、秘密がうずまく危険な恋。
一言で言えば、大切な宝物に出会って、成長していく少女の物語です。
誰かを愛したり、傷ついたり、裏切ったり、反発したり。
狂おしいほどの溢れる想いをかかげて生きていた反戦運動や全共闘運動の真っ只中を生きる1969年の若者たちの姿。
今の10代20代とは似て非なる存在としてわたしの目に映りました。
生死に関して真剣に向き合っていた会話の内容、
しっとりとした湿度感を持つゆったりとした喋り方、
多感な時期だったということ以上に、今の若者と全然ちがいますね。すべてが。
なんだか背筋がしゃんとしてしまう。
1970年代前後という変遷の時代の風を感じることができました。映像もとても美しいです。
ただ、この話は切ないなぁー。
そして、成海璃子さんと池松壮亮くんの濡れ場、すごかった。
池松くんは本当に良い意味で濡れ場俳優の位置を確立してますよね。
どんな女優さんとのベッドシーンでも、観てる側の女性をドキドキさせてくれる役者です。
今回も凄まじくかっこよかった。なんなんだあの色気は。
今回は成海璃子さんと池松壮亮さん、二人とも、キスの音、表情、これが想像以上にリアルでその熱量、生々しさ、画面越しにその情熱が伝わってきました。
1時間半くらいのところであるラブシーン。二人が可愛いですよ、こちらが恥ずかしくなるくらい。
何度も何度もキスをして、抱き合いながら、好きな詩人、好きなミュージシャンを語り合う。
そんな二人はとにかく眩しくて。
著者である小池真理子さんの色褪せることのない青春の記憶を映画のなかに閉じ込めたものなんだなと思える宝箱の中の記憶のようなシーンです。
そして、斎藤工さんのセクシーさはもちろんのこと、今回ヌードを披露したモデルの遠藤新菜さんの体当たり演技にも注目。映画デビューでこういう役どころを演じようと思える女優さんの意気込みが感じられるのって清野菜名さん以来?素晴らしかった。
そして後半は映画的に言うと、どんでん返しともいうべき展開になるので正直びっくりします。ひゃあ、こんな経験してきたなんて!小池真理子さん、すごいわ。。 本作は、直木賞作家・小池真理子さんの半自叙伝的小説を映画化。
こんな体験をされているからこそ、たくさんの小説を世の中に送り出せるんですね。
恋愛面を切り取っただけでも私の何枚も記憶に残る経験してきてるなぁーと思いました。
2016年、彼女の著書の中「二重生活」も公開予定なのでそちらも注目です。
独特な空気感に包まれた切なく美しいお話です。