『そして僕は恋をする』フランスの名匠アルノー・デプレシャン監督の贈る初恋と青春の物語。
フランスはなんて恋が似合う街なんでしょうか。二人が歩いているだけで、見ている私がいつの間にか甘酸っぱくなる。そりゃあロマンチックな恋もしたくなる。私もパリでだったら、自動的に恋に落ちるかもしれないですw
とても印象的だったのは、主人公ポールの初恋の相手エステルがカメラ目線で語りかけてくるたび、彼の気持ちになってドキリとしてしまったこと。
そしてエステルの「忘れられないと女」としての小悪魔的ヒロイン性といったら。もう抜群です。
側にいないとどこかに行ってしまいそうなミステリアスな儚さ、相反するようにぶつけてくる愛。
脆さと激しさ。これは、翻弄されて忘れられなくなってもしゃあないです。
どれだけ傷つけあっても、何度でも、何度でも、身を焦がすように相手にのめり込む。
自分を見失うほどの想いに駆られていた若かった自分を思い出してしまいました。
いつまでも忘れたくない思い出を、心の引き出しからそっと久しぶりに取り出した。
そんな気持ちにさせてくれる映画です。